「アロマテラピーを母に施してみたいのですが・・・」
入院が始まってからわりと早い時期から私は主治医に相談した。
脳疾患だからといって、
脳の血流をよくする精油を使えばいいというものではない。
ローズマリーは血圧へのの影響があるので、脳圧のことを考えると使えない。
意識レベルが普通でなく、てんかん様の痙攣を起こす。
意識を鮮明にさせ、神経系を刺激し、古く昔から中国では癲癇のための精油として使われていたバジルはどうか?
けれど脳はあまたのホルモンが分泌され、また多臓器と連携して指令を出しているところ。
精油は内分泌にも大きく影響する。
脳炎の原因がウイルス性ではなく、自己免疫系だったらどうする?
途中カリニ肺炎を併発した。レアもいいところ。。。
自己免疫がボロボロ。。。
プレドニンのパルス、感染の憎悪
肺には木系。けれど、コーチゾン様の働きがあり薬との兼ね合いもあるのでなんとなく選べない。
精油がいいといわれるものの、やはりメディカルに追求すればするほど、
科学的な答えが欲しくなる。
けれど香りが体と密接な精神を癒すことは明白。
心身相関。
寝たきりの体を他動的に運動を与えることによって、
機能の低下も防ぎたい。
この手で救いたい。
なにもしないではいられない。
家族の手が施すオイルマッサージには大きな力があるはず。
こうなると、ケアーではなくキュアー。
精油の使用はバジルを主に足、手、胸元へのセラピーを交互に毎晩施した。
あまり強くしない、思いを込めない、さりげなく付き添いたい。
余計なことだと思われたくない。照れ隠し・・・
でもそんなの関係なくなるところまで行き着いたとき、
同じベッドに母と寝て「怖くないよ」と呟いた。
今、回復した母はその当時の記憶が何もない。
はずだったのだけど、
「そういえば、私にマッサージしてくれてたけど、あれ、体が楽になってね・・・」
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